こんにちは、エンディングプランナーの野田和宏です。
私は葬儀の専門相談員として、お客様からのお問い合わせに日々お応えさせていただいています。ここ数年、依頼前に複数の葬儀会社を比較する方が増え、つくづく「葬儀社は選ぶ時代」になってきているのだと感じています。
本日の事前相談を行ったお客様は、当社含めて3社と比較検討されていました。
対面相談を行い、細部にわたっての費用を算出したのは当社だけですが、お客様はそれぞれFAXで見積もりを取り寄せ、私に見せてくださいました。
他社との開きは最大15万円ほどで、弊社がもっとも高額でした。
お客様から値引き交渉があった時、私はこうお伝えしました。
「弊社は一切の値引きをいたしません。弊社では葬儀費用を含め、あらゆる情報をインターネットで公開しております。一部の方だけに値引きを可能にすれば、『不要なものを省き、すべてのお客様に適正価格でサービスをご提供する』という理念に反してしまいます。やり直しのできない大切なお別れだからこそ、弊社をよくご理解していただいた上で、お客様のご意志でご縁をいただいています」
お客様から、弊社は何が違うのかと問われた時、「私たちは、葬儀そのものの捉え方が違います」とお話しました。
これまで多くの葬儀社は、通夜・葬儀の2日間を滞りなく終えてお金をいただき、サービスを終了するのが普通でした。そして売上につながるようであれば「アフターサポート」として仏壇やお墓や香典返しを販売します。お式の内容についてはお客様からの要望がなければ、必要以上のことを案内しないのが一般的でした。
一方、私たちの「葬儀」の捉え方は、三つの期間に分かれます。
一つ目は、今日からいざという時を迎えるまでの期間。
事前相談をさせていただくからには、葬儀のことはいったん忘れて、一生懸命看病に専念していただけるよう、ご不安をすべて払拭することに全力をかけます。
二つ目は、ご臨終から通夜・葬儀をお手伝いする期間です。
やり直しができないことだからこそ、色々なお話を伺い、思い出に残るような、その方だけのお別れのご提案&運営をしています。
そして三つ目は、葬儀が終わってから始まる、残された方へのサポート期間です。
このサポートは物販ではなく、役所手続や相続、供養を含めたさまざまなお困りごとを解消し、前を向いて人生を歩んでいただくためのコンサルティングに徹するところが特徴です。
葬儀を、葬儀社にとっての2日間ではなく、「大切な方を亡くされたご家族の人生に寄り添いながら、その場・状況により最善のサポートをしていくこと」と捉え、誠心誠意お手伝いする。その取り組みを通じて葬儀業界や葬儀のあり方などを変えていくことが、私たちの使命でもあります。
このような話にお客様も深く共感してくださり、ご縁をつなぐことができました。
お葬式をやりたくて行うお客様は存在しません。
本当はもっと生きて、一緒にいてほしい。
しかし、どうしようもないからお葬式をあげるのです。
目先のことだけではなく、お客様にとってやり直すことのできない大切なお別れを、いかに悔いの残らないようにお手伝いするか。葬儀の意味と価値をお客様にお伝えし、アーバンフューネスの理念をご理解いただくことが何よりも大切なのだと思います。
かたちのない、あげた経験もないお葬式の価値を、いかにお客様にお伝えしていけばいいのか?
これこそ、私たちアーバンフューネス社員がいつも肝に銘じておかなければならないことだと思います。